
医療機関の受診案内に、従来の健康保険証、マイナ保険証、資格確認書、資格情報のお知らせ、スマートフォンが並ぶと、患者は『結局、何を持って行けばよいのか』を判断しにくくなります。制度変更後も古い保険証の画像や『保険証をご持参ください』という表現が残っていれば、受付での行き違いにもつながります。
厚生労働省は、従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日で終了し、期限切れに気付かず持参した場合の経過的な取扱いも2026年7月31日に終了したと案内しています。現在の基本は、マイナ保険証を持つ人はマイナ保険証、持たない人は資格確認書を提示することです。
一方、スマートフォンのマイナ保険証は、2025年9月19日から機器の準備が整った医療機関・薬局で順次利用できます。全施設で一律に使えるわけではなく、厚生労働省の対応施設検索にも反映の時間差があると明記されています。自院のWebサイトでは、一般的な制度説明を転載するだけでなく、実際の受付機器と運用に合わせて案内する必要があります。
この記事では、2026年10月23日時点の厚生労働省とデジタル庁の公表資料をもとに、医療機関サイトのマイナ保険証案内を5つに分けて整理します。施設名、所在地、診療時間など複数媒体の更新は医療機関の掲載情報、読みやすく操作しやすい案内は医療機関サイトのアクセシビリティもあわせてご覧ください。
結論:制度の一般論と、自院でできる受付を分けて書く
受診案内は、①現在の基本となる持ち物、②自院でのスマートフォン対応、③資格確認書と資格情報のお知らせの違い、④受付できない場合の案内、⑤他の医療証・更新媒体を一つの流れで示します。ページ上部には『まず何を持参するか』を短く置き、詳しい条件や例外はその下に分けます。
更新前に、Web担当者だけで文章を決めず、受付責任者、レセプト担当、システム担当に、現時点の機器、対応開始日、障害時の受付方法、院内掲示、電話回答を確認します。公的制度として可能なことと、自院で当日運用できることが一致しているかを公開条件にします。
マイナ保険証のWeb案内で揃える5つの確認
1.『保険証』だけで終わらせず、現在の持ち物を明記する
ページ冒頭では、従来の健康保険証の案内を残したままにせず、マイナ保険証または資格確認書という現在の基本を明示します。『保険証等』のような省略表現だけでは、期限切れの健康保険証、資格確認書、資格情報のお知らせのどれを指すのか分かりません。
資格確認書は、マイナ保険証を保有していない人などへ、当分の間、無償で申請によらず交付される書類です。ただし、保険者によって様式、発行形態、有効期限が異なります。自院サイトに特定の色やカード形状だけを載せず、書類名と有効期限を確認するよう案内します。
子どもの医療費助成など、自治体と医療機関の対応状況によって別途提示が必要な証類もあります。マイナ保険証だけで全ての公費負担・助成情報が確認できると一括して案内せず、自院と地域の取扱いを確認して、追加で必要な持ち物を別枠にします。
2.スマートフォン対応は、機器と開始日を実測してから掲載する
スマートフォンのマイナ保険証は、対応するスマートフォンにマイナンバーカードを追加し、健康保険証の利用登録を行ったうえで、機器の準備が整った医療機関・薬局で使える仕組みです。アプリを入れただけで利用できるわけではありません。
自院が対応を案内する前に、汎用カードリーダーの接続、受付端末の表示、スタッフの操作、障害時の切替、院内ステッカー、問い合わせ窓口を実機で確認します。『スマホ対応』という見出しだけでなく、利用開始日、受付場所、事前設定が必要なこと、対応確認先を掲載します。
厚生労働省の対応施設検索は、読み取り実績が確認された施設を順次掲載し、反映に時間差があると説明しています。検索結果だけを根拠にせず、自院の稼働確認と一致させます。未対応であれば、その旨と実物のマイナンバーカードまたは資格確認書を持参する案内を、予約完了画面にも表示します。
3.資格確認書と『資格情報のお知らせ』を混同しない
資格確認書は、単体で保険資格を提示するための書類です。一方、『資格情報のお知らせ』は、マイナ保険証を持つ人に交付され、カードリーダーの不具合などで資格確認ができない場合に、マイナンバーカードと組み合わせて使う書類です。厚生労働省は、資格情報のお知らせだけでは受診できないと案内しています。
Webサイトでは、名称が似ている二つを同じ画像や一文にまとめず、『通常時に提示するもの』と『受付できない場合に組み合わせて使うもの』に分けます。また、資格情報のお知らせの画像やPDFを一般の問い合わせフォームへ送信するよう促さないでください。公開ページには、個人番号やカード券面の画像をメールで送る案内も置きません。
厚生労働省のFAQでは、医療機関・薬局が12桁のマイナンバーそのものを取り扱うのではなく、カードのICチップ内の電子証明書を使って本人確認すると説明しています。Webフォームの改善は医療サイトの問い合わせフォームも参考に、受付に不要な個人情報を集めない設計にします。
4.受付できない場合の分岐を、院内手順と揃える
停電、ネットワークやカードリーダーの不具合、ICチップの破損、資格情報の更新途中などで、通常の資格確認ができないことがあります。厚生労働省は、マイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、またはマイナンバーカードと資格情報のお知らせを組み合わせる方法などを案内しています。初診で他の確認方法がない場合には、被保険者資格申立書を使う手順も示しています。
ただし、患者向けページに請求業務の細部をそのまま並べると、かえって分かりにくくなります。Webでは『受付で読み取れない場合も、別の方法で資格確認を行います。スタッフへお申し出ください』と入口を示し、その下に持参すると確認が円滑になるものを掲載します。実際の対応は、厚生労働省の最新フローと自院の手順書に合わせます。
『読み取れなければ必ず10割負担』のような一律表現は避けます。厚生労働省は、何らかの事情でマイナ保険証による受付ができなくても、他の方法で資格確認し、適切な自己負担割合で保険診療を受けられるよう案内しています。個別の資格状況や受付条件はその場で確認します。
5.Web、予約、院内掲示、電話回答を同じ版に揃える
受診案内ページを直しても、予約完了メール、予約システムの注意事項、Googleビジネスプロフィール、院内掲示、音声案内、電話応対に古い文言が残ることがあります。更新対象を一覧にし、同じ公開日と確認者で改訂します。Google上の施設情報を含む更新はGoogleマップの診療時間で整理しています。
制度ページやアプリ画面は更新されます。実際に厚生労働省の案内では、2026年8月のアプリ呼称・アイコン変更が注記されています。古いスクリーンショットを固定的に掲載するより、患者が判断するために必要な文章をHTMLで示し、設定手順は厚生労働省やデジタル庁の最新ページへリンクします。
更新台帳には、対象URL、現在の文言、院内運用、スマホ対応状況、確認した公式資料、受付責任者、公開日、次回確認日を残します。制度や機器の変更時だけでなく、問い合わせで迷いが多かった項目も改訂候補にします。
受診案内ページに置く情報の順番
- 最初に、現在持参するものを短く明示する
- マイナ保険証と資格確認書を別々に説明する
- 自院のスマートフォン対応可否、開始日、受付場所を書く
- 資格情報のお知らせは単体では使わないことを説明する
- 子どもの医療費助成など、別途必要な証類を地域運用に合わせて示す
- 受付できない場合はスタッフへ申し出る導線を置く
- 一般フォームやメールで個人番号・カード画像を送らせない
- 詳しい設定方法は最新の公式ページへリンクする
- 予約完了画面、メール、院内掲示、電話回答も同じ版にする
- 更新日と問い合わせ先を表示する
よくある質問
従来の健康保険証を持参する案内は残せますか?
現在の基本案内としては更新が必要です。厚生労働省は、従来の健康保険証の有効期限が2025年12月1日に終了し、期限切れに気付かず持参した場合の経過的な取扱いも2026年7月31日に終了したとしています。マイナ保険証または資格確認書を中心に、自院の案内を見直します。
スマートフォンがあれば、どの医療機関でも使えますか?
いいえ。対応機種での事前設定に加え、医療機関側の機器準備が必要です。自院の実機確認後に対応可否を掲載し、患者向けには厚生労働省の対応施設検索と自院の問い合わせ先を案内します。
資格情報のお知らせだけで受診できますか?
厚生労働省は、資格情報のお知らせ単体では受診できないと案内しています。通常のマイナ保険証受付ができない場合に、マイナンバーカードと組み合わせて使う位置づけです。資格確認書とは別の書類なので、ページ上でも分けて説明します。
カードリーダーの故障時は、必ず10割負担になりますか?
一律ではありません。マイナンバーカードと資格情報画面または資格情報のお知らせ、再診時の確認、初診時の被保険者資格申立書など、厚生労働省が示す別の確認方法があります。自院の受付手順に合わせて案内し、個別の資格状況は窓口で確認します。
制度説明をそのまま転載すれば十分ですか?
十分とは限りません。患者が知りたいのは、自院でスマートフォンが使えるか、どこで受付するか、読み取れないときにどう相談するかです。公的な制度説明へのリンクと、自院固有の対応を分けて書きます。
公開前チェックリスト
- 従来の健康保険証を現在の持ち物として案内していない
- マイナ保険証と資格確認書の基本を明記した
- 資格確認書と資格情報のお知らせを区別した
- スマートフォン対応を実機と受付手順で確認した
- 未対応時の持ち物を案内した
- 子どもの医療費助成など別途必要な証類を地域運用で確認した
- 受付できない場合の文言が院内手順と一致している
- 個人番号やカード画像を一般フォーム・メールで求めていない
- 予約画面、メール、院内掲示、電話回答を同時に更新した
- 公式資料の確認日、公開日、次回確認日を記録した
まとめ:患者が来院前に判断できる受診案内へ
マイナ保険証のWeb案内は、制度用語を増やすことが目的ではありません。患者が『何を持つか』『スマートフォンが使えるか』『読み取れないときにどうするか』を来院前に判断できる順番へ整えることが重要です。
制度、受付機器、院内手順のいずれかが変われば、Webだけでなく予約、掲示、電話回答も同じ版へ更新します。公式資料へのリンクと自院固有の運用を分けることで、変更時に直す場所も明確になります。
受診案内ページの更新を相談したい医療機関へ
株式会社メディカルアトラクトでは、現在の受診案内、予約画面、院内掲示、電話回答、受付機器の対応状況を一つの更新台帳に整理します。お問い合わせページから、対象ページのURL、現在案内している持ち物、スマートフォン対応の有無、受付で多い質問をお聞かせください。初回の相談では、古い表現の特定、ページ上部に置く要点、資格確認書と資格情報のお知らせの分け方、障害時の案内、予約・院内媒体の更新順序を具体化できます。
医療機関向けのWeb・SNS・動画支援はサービスページ、制作・運用例は制作実績ページをご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(医療マーケティング・Web制作担当)が、公表資料を2026年10月23日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- 資格確認方法について(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
- スマートフォンのマイナ保険証利用について(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
- マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
- オンライン資格確認 QA集(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
- 医療機関・薬局では、マイナ保険証か資格確認書をご提示ください(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
- マイナンバーカードの健康保険証利用(デジタル庁)(2026年10月23日確認)
- 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(2026年10月23日確認)
本記事は2026年10月23日時点の公表資料に基づく一般的なWeb運用・医療マーケティングの整理であり、個別の医療、法律、保険請求または情報セキュリティ上の助言ではありません。資格確認、必要書類、スマートフォン対応、公費負担医療、受付できない場合の対応は、加入する保険者、自治体、施設、機器、運用、制度変更等により異なります。実施時に厚生労働省、デジタル庁、保険者、自治体、医療機関等向け総合ポータルの最新情報と自院の受付手順を確認してください。本記事は厚生労働省、デジタル庁その他の機関の提携・監修を受けたものではなく、受付時間の短縮、受診者数、検索順位または問い合わせ数を保証しません。