
医療機関の名称、所在地、電話番号、診療科目、診療日・時間は、公式サイトだけでなく、厚生労働省と都道府県が運営する医療情報ネット(ナビイ)、Google検索・Googleマップのビジネスプロフィールなど、複数の場所で確認されます。公式サイトを更新しても、ほかの公開面が古いままだと、利用者はどの情報を信じればよいか判断しにくくなります。
医療情報ネットは、病院、診療所、歯科診療所、助産所などが都道府県へ報告した情報を公表する制度上の検索システムです。厚生労働省は、名称、所在地、案内用電話番号、診療科目、診療日、診療時間などの基本情報に変更があった時点で、G-MISから速やかに随時報告するよう案内しています。一方、Googleビジネスプロフィールは別のサービスであり、情報を自動的に同じ状態へ更新するものではありません。
この記事では、2026年9月20日時点の厚生労働省とGoogleの公式情報をもとに、公式サイト、医療情報ネット、Googleの掲載情報を揃える5つの更新手順を整理します。制度上の報告、Webサイトの編集、外部サービスの更新を混同せず、同じ事実を同じ確認票で追うことが中心です。
前提:3つの公開面は、目的も更新方法も異なる
公式サイトは医療機関が自ら編集し、受診前に必要な案内や詳しい情報を提供する場所です。医療情報ネットは、住民・患者による医療機関の適切な選択を支援するため、医療機関から都道府県へ報告された医療機能情報を公表します。Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップで名称、住所、電話番号、営業時間などを示すサービスです。
3つは相互に似た項目を持ちますが、更新先、審査、反映までの時間、表現できる情報が同じではありません。どれか一つを「原本」と呼んで終わらせず、院内で確定した事実を管理する更新票を原本にし、公開先ごとの更新と確認を記録します。Googleビジネスプロフィールの診療時間や臨時休診については、診療時間・臨時休診・予約を揃える5つの確認でも詳しく整理しています。
公式サイト・医療情報ネット・Googleを揃える5つの更新手順
1.変更前に、院内で確定した事実を一枚にまとめる
更新を始める前に、変更日、対象施設、正式名称、所在地、案内用電話番号、診療科目、曜日別の診療時間、休診時間、予約方法、公開責任者を一枚の更新票にまとめます。予定や検討中の内容を先に公開せず、届出や院内承認が必要な変更は、それぞれの手続きが整ったことを確認します。
特に「診療時間」は、受付時間、予約受付時間、電話対応時間と同じとは限りません。公開面ごとにラベルを変えて曖昧にするのではなく、何の時間かを院内で定義し、利用者が誤解しない表現へそろえます。複数施設がある場合は施設ごとに行を分け、別施設の電話番号や診療科目を流用しないようにします。
2.医療情報ネットは、G-MISの随時報告を制度上の手順で行う
厚生労働省の医療機関向け案内では、名称、開設者、管理者、所在地、案内用電話番号・ファクシミリ番号、診療科目、診療日、診療時間、病床の種別・病床数を基本情報として挙げ、修正や変更があった時点で速やかな随時報告を求めています。基本情報以外も、定期報告に加え、可能な限り速やかな時期に修正・変更を報告するよう案内しています。
更新はG-MISの「医療機能情報提供制度」から「随時報告」を選んで行います。具体的な受付や確認方法は都道府県で異なる場合があるため、管轄都道府県の案内も確認します。開設許可等に関する変更届と、医療機能情報提供制度の報告は別の手続きとして扱われる場合があるため、「ほかの届出をしたから反映される」と推測せず、対象ごとに完了を記録します。
3.公式サイトは、詳細ページだけでなく共通表示も更新する
公式サイトでは、施設概要やアクセスページだけでなく、ヘッダー、フッター、診療科ページ、予約案内、問い合わせページ、構造化データ、PDF、サイト内検索結果など、同じ基本情報を持つ場所を洗い出します。CMSの一か所を変更すれば全体へ反映される設計でも、公開後に実際のページを開いて確認します。
名称や診療時間を更新するときは、広告表現も同時に点検します。事実の更新をきっかけに「地域で一番」「必ず改善」「絶対安全」などの比較・保証表現を加えたり、医療情報ネットの公的な掲載を厚生労働省の推奨・認定のように見せたりしません。自由診療ページが関係する場合は、治療内容、標準的な費用、期間・回数、主なリスク・副作用を一体で確認します。
4.Googleと構造化データは、公式サイトと同じ確定情報から更新する
Googleビジネスプロフィールでは、実際に使用している名称、正確な住所、電話番号、カテゴリ、営業時間を確認します。Googleは、名称を看板や公式サイト等で一貫して使われている表記に合わせ、住所を詳細かつ正確に記載し、中核事業に合うカテゴリを必要最小限にするよう案内しています。営業時間には通常の診療対応時間を設定し、祝日や臨時休診は特別営業時間として別に管理します。
公式サイトにLocalBusiness等の構造化データを実装している場合は、画面上の名称、住所、電話番号、URL、営業時間と一致させます。構造化データを更新しても、Googleの表示が直ちに変わる、または特別な検索表示が保証されるわけではありません。リッチリザルトテストやURL検査で実装を確認し、公開ページがrobots.txt、noindex、ログインで取得不能になっていないかも確認します。
5.公開後は、利用者と同じ入口から3面を再確認する
更新作業の完了は、管理画面で保存した時点ではなく、公開画面で反映を確認した時点とします。公式サイトはPCとスマートフォンで対象ページを開き、名称、住所、電話リンク、診療科目、診療日・時間、予約導線を確認します。医療情報ネットは施設名で検索し、施設詳細の更新項目と最終更新の表示を確認します。Googleはログインしていない状態の検索・マップ表示も確認し、編集が保留や不承認になっていないか管理画面で追います。
厚生労働省は、医療情報ネットに医療機関等から報告された内容を原則そのまま掲載する一方、報告状況によっては必ずしも最新情報が反映されていない場合があると案内しています。反映待ちを「更新不要」と解釈せず、報告日、確認日、確認者、未反映の問い合わせ先を記録します。公式サイトから医療情報ネットへリンクすること自体は可能ですが、リンク先が医療情報ネットであることを明示し、フレーム内へ取り込まず独立したページとして案内します。
変更の種類ごとに、更新先と確認日を決める
- 名称・所在地・電話番号:G-MISの随時報告、公式サイト全体、Googleビジネスプロフィール、構造化データ、予約システムの順に更新対象を確認する
- 診療科目・診療日・診療時間:G-MISの随時報告、公式サイトの診療案内、Googleの通常営業時間・特別営業時間、電話ガイダンスを確認する
- 臨時休診・短期の時間変更:公式サイトのお知らせと該当ページ、Googleの特別営業時間、予約枠、SNS告知の終了日を確認する
- 予約方法・問い合わせ先:公式サイト、Googleの予約リンク、外部予約システム、フォーム送信先と権限を確認する
- 対応可能なサービス等:医療情報ネットの報告項目と公式サイトの説明を照合し、実態・対象条件・更新日を確認する
更新先を増やすことが目的ではありません。利用者が受診前に必要とする情報について、どこから見ても同じ判断ができる状態を保つことが目的です。更新票には「更新済み」だけでなく「公開画面で確認済み」を分けて記録します。
よくある質問
公式サイトを直せば、医療情報ネットも自動で更新されますか?
自動更新を前提にはできません。医療情報ネットは、医療機関が都道府県へ報告した情報を公表する仕組みです。対象となる変更は、G-MISの随時報告など、制度上の方法で報告します。具体的な運用は管轄都道府県の案内も確認してください。
医療情報ネットの情報を公式サイトへそのまま転載できますか?
転載とリンクは分けて考えます。厚生労働省は、医療情報ネットへのリンクは可能と案内する一方、掲載情報の転載では出所の明記を求めています。また、情報が常に最新とは限らない旨も示しています。公式サイトでは自院が確認した最新情報を掲載し、必要に応じて「医療情報ネット」への外部リンクであることを明示して案内します。
3つの表示が違うと、検索順位が下がりますか?
この記事では順位への影響を断定しません。表示の不一致で直接起きる問題は、利用者が診療時間や連絡先を誤認し、問い合わせや受診前確認に余計な手間がかかることです。まず正確性と利用者の判断を優先し、公式サイト、医療情報ネット、Googleの各公開画面を確認します。検索順位や表示方法は各サービスの仕組みにより変わり、更新しても特定の結果は保証されません。
公開前後のチェックリスト
- 変更日と院内承認者が確定している
- 名称、所在地、電話番号、診療科目、診療日・時間の定義が一枚にまとまっている
- G-MISの随時報告対象を確認し、受付・報告状況を記録した
- 公式サイト内の共通表示、詳細ページ、PDF、構造化データを更新した
- Googleビジネスプロフィールの名称、住所、電話、カテゴリ、通常・特別営業時間を確認した
- PCとスマートフォンで電話リンク、地図、予約・問い合わせ導線を確認した
- 医療情報ネットとGoogleを利用者側の画面で検索し、反映状況を記録した
- 未反映や不承認がある場合の担当者と再確認日を決めた
まとめ:一度の変更を、3つの公開面で完了させる
医療機関の基本情報は、公式サイト、医療情報ネット、Googleでそれぞれ管理方法が異なります。院内で確定した事実を一枚の更新票にまとめ、G-MISの制度上の報告、公式サイトの全該当箇所、Googleビジネスプロフィールと構造化データを順に更新します。最後に利用者側の公開画面を確認し、反映待ちも含めて記録することで、情報のずれを減らせます。
掲載情報の更新先と担当を、一枚の運用表へ整理したい方へ
株式会社メディカルアトラクトでは、医療機関の公式サイト、Googleビジネスプロフィール、予約導線、SNS、医療情報ネットで確認すべき項目を整理し、変更内容ごとの担当者、確認順、再確認日を一枚の運用表へまとめます。お問い合わせページから、対象施設、現在使っている公開媒体、更新漏れが気になる項目をお聞かせください。初回の相談では、制度上の報告が必要な項目とWeb制作会社・院内担当者が更新する項目を分け、優先順位と確認手順を具体化できます。
医療機関向けのWeb・SNS・動画支援はサービスページ、制作・運用の対応領域は制作実績ページ、個人情報を扱う問い合わせ導線は医療サイトの問い合わせフォーム設計もご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(Web・医療マーケティング支援担当)が、厚生労働省とGoogleの公表資料を2026年9月20日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- 医療機能情報提供制度について(医療機関向けページ)(厚生労働省)(2026年9月20日確認)
- 医療機能情報提供制度について(厚生労働省)(2026年9月20日確認)
- 医療情報ネット 利用規約・リンク等(厚生労働省)(2026年9月20日確認)
- 医療情報ネット よくあるご質問(厚生労働省)(2026年9月20日確認)
- ビジネス プロフィールを編集する(Googleビジネスプロフィール ヘルプ)(2026年9月20日確認)
- Googleに掲載するビジネス情報のガイドライン(Googleビジネスプロフィール ヘルプ)(2026年9月20日確認)
- 営業時間を編集する(Googleビジネスプロフィール ヘルプ)(2026年9月20日確認)
- LocalBusiness構造化データ(Google Search Central)(2026年9月20日確認)
- 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(2026年9月20日確認)
本記事は2026年9月20日時点の公表資料に基づき、一般的なWeb・医療マーケティング運用上の確認方法を説明したものです。個別の行政手続、法律上・医療上の助言、検索順位、Google検索・マップでの表示、問い合わせや受診の増加を保証するものではありません。制度、都道府県の運用、外部サービスの仕様は変更される場合があるため、実務では厚生労働省、管轄都道府県、各サービスの最新版をご確認ください。本記事は厚生労働省、各都道府県、Googleの提携・監修を受けたものではありません。