
Instagramで店舗、イベント会場、医療機関などの場所を伝えるときは、投稿へ位置情報タグを付ける方法があります。一方、Instagramマップには、選んだ相手へ直近でアクティブだった場所を共有する機能があります。さらに、端末の位置情報権限や、利用可能な地域ではDM内の位置共有もあり、同じ『位置情報』でも公開範囲と目的が異なります。
Metaは2025年8月、日本でInstagramマップを正式に導入したと発表しました。位置情報のシェアは初期設定でオフであり、利用者が相手を選んでオンにできます。ただし、位置情報の共有をオンにしていなくても、位置情報タグを付けた投稿がマップへ表示される可能性があります。企業アカウントでは、担当者の現在地を共有する操作と、コンテンツへ施設・会場の場所を付ける操作を同じ確認欄で処理しないことが重要です。
この記事では、2026年10月26日時点のMeta、個人情報保護委員会、Apple、Google、厚生労働省の公表資料をもとに、企業Instagramの位置情報を5つの確認に分けて整理します。アカウントを複数人で管理する場合は企業SNSの権限管理、医療機関の投稿内容の確認は医療広告に配慮した公開前レビューもあわせてご覧ください。
結論:現在地の共有と、投稿へ付ける場所を別の承認項目にする
公開前の確認票には、少なくとも①Instagramマップの位置共有、②投稿・リール・ストーリーズ・ノートの位置情報タグ、③DM内の位置共有、④端末OSの位置情報権限、⑤写真・動画そのものに写る場所の手掛かりを分けて記録します。それぞれ、共有先、更新タイミング、公開期間、担当端末、停止方法が違うためです。
施設の公式な所在地を案内する投稿と、担当者が今いる場所を知らせる操作は同じではありません。企業運用では、原則として公式住所や公開済みの会場を必要な投稿だけに付け、担当者個人の移動や非公開エリアが推測される設定は使わない、という基本線を決めると判断が安定します。
企業Instagramの位置情報で揃える5つの確認
1.Instagramマップの位置共有と、投稿の位置情報タグを分ける
Metaの日本向け発表では、Instagramマップの位置共有をオンにすると、友達、親しい友達、選択した友達など、利用者が選んだ相手へ直近でアクティブだった場所を共有できます。アプリを開いたときなどに場所の情報が更新され、共有はいつでもオフにできます。企業アカウントでこの機能を使う場合は、誰へ、何の目的で、どの端末から共有するのかを事前に決めます。
これとは別に、位置情報タグを含むリール、フィード、ストーリーズ、ノート等のコンテンツはマップに表示される可能性があります。Metaは、位置共有をしていなくても、位置タグ付きコンテンツがマップに表示され得ると説明しています。『現在地共有はオフだから、場所に関する情報は出ない』とは扱えません。
Metaが2025年10月に公表した追加説明では、位置共有の状態を目立たせる表示や、位置情報タグを加えたコンテンツがマップでどう見えるかを確認するプレビューなど、両者の混同を減らす改善が案内されました。ただし画面、提供範囲、名称は地域やアプリの版で変わる可能性があるため、公開日に実機で確認します。
2.タグを付ける場所と、公開する時刻を必要最小限にする
位置情報タグは、来訪者が場所を見つける助けになりますが、投稿時刻や映像と組み合わさると、担当者、出演者、利用者がその場にいることを推測させる場合があります。公開済みの店舗・施設・会場か、非公開の撮影場所、搬入口、バックヤード、訪問先、自宅等ではないかを確認します。
リアルタイム公開が不要なら、会場を離れた後に投稿する、日付や行動予定を細かく書かない、背景の案内板・入館証・車両番号・窓景色を確認するなど、情報を組み合わせた特定にも備えます。位置情報タグを外しても、写真の看板、制服、建物、撮影時刻、本文から場所が分かることがあります。
医療機関や介護施設では、患者・利用者の来訪、訪問診療先、送迎経路、職員の勤務や休憩場所、非公開エリアが推測されないようにします。本人の同意や院内ルールが必要な素材を、施設の公式所在地タグだけで公開可能と判断しません。投稿の目的に対して場所の表示が本当に必要かを、画像・本文・タグ全体で確認します。
3.担当端末の位置情報権限を、アプリ内設定と別に点検する
Instagram内で位置共有をオフにしていても、端末OSでアプリに許可している位置情報アクセスは別の設定です。iPhoneでは、アプリごとに『しない』『次回または共有時に確認』『このアプリの使用中』等を選び、正確な位置情報のオン・オフも変更できます。Androidでも、アプリの権限と、正確な位置情報かおおよその位置情報かを確認できます。
企業端末の管理票には、端末名、利用者、OS、Instagramのアプリ版、OS側の位置情報権限、正確な位置情報の設定、確認日を記録します。個人端末を業務利用する場合は、個人アカウントと企業アカウントの切り替え、写真ライブラリ、位置情報権限、退職・委託終了時の削除手順も決めます。
機能を使うために一時的に権限を変更した場合は、作業後に戻す担当と期限を決めます。アップデートや端末交換後は設定が同じとは限らないため、月次点検だけでなく、権限変更、担当変更、アプリ再インストール、機能追加のタイミングでも再確認します。
4.位置情報が個人情報等になり得ることを前提に記録を残す
個人情報保護委員会の通則ガイドラインは、ある個人の位置情報を個人関連情報の例として挙げています。また、位置情報が連続して蓄積されるなど、特定の個人を識別できる場合は個人情報に該当し得ると説明しています。位置情報だけを切り離して『氏名がないから個人情報ではない』と一律に判断しません。
個人情報保護委員会は、第三者のプラットフォームやアプリを使って利用者から送信される情報を取得する場合、サービス内容を確認し、意図しない個人情報の取得へ注意し、個人情報を取得するなら利用者が認識できるようプライバシーポリシー等で分かりやすく示す必要があると案内しています。
企業がInstagram上で位置データを直接受け取らない運用でも、DM、応募フォーム、予約、来場受付、キャンペーン、分析ツールなどと組み合わせる場合は情報の流れを確認します。誰のどの情報を、何の目的で、どこに保存し、誰が見て、いつ削除するかを整理し、必要に応じてプライバシーポリシーや案内文を見直します。
5.公開後にマップ表示・タグ・DM・過去投稿を点検する
公開後は、投稿だけでなく、マップ上の見え方、位置情報タグ、ノート、ストーリーズ、DM内の共有状態、端末の権限を確認します。担当者の意図と異なる場所、重複した施設名、古い会場、仮設会場、閉鎖済み拠点が選ばれていないかを点検します。
DM内のライブ位置共有は、Metaの公式案内では一部の国で提供され、1対1またはグループチャット内で最大1時間共有でき、初期設定はオフとされています。利用可否や画面は変わるため、企業の問い合わせ対応で安易に現在地共有を求めず、必要な場合も公式の住所、集合場所、緊急時の別経路を優先します。
医療機関のSNS投稿では、位置タグが付いていても広告表現の確認は別に必要です。厚生労働省の医療広告規制に関する事例解説書は、SNS上の表示全体を踏まえた確認例を示しています。位置タグやプロフィールへの住所記載によって、治療内容、費用、リスク・副作用等の必要な説明が省略できるわけではありません。
公開前チェックリスト
- Instagramマップの位置共有と投稿の位置情報タグを分けた
- DM内の位置共有と端末OSの位置情報権限を別に確認した
- 共有先、更新タイミング、公開期間、停止方法を記録した
- 施設・会場の公式所在地と非公開の撮影場所を区別した
- リアルタイム投稿が必要か、遅延公開にできないか確認した
- 画像内の看板、入館証、車両番号、窓景色等を確認した
- 患者、利用者、職員、訪問先の行動が推測されないか確認した
- 端末名、利用者、OS、アプリ版、権限設定、確認日を残した
- 個人情報等の取得、利用目的、保存先、削除時期を確認した
- 公開後にマップ表示、タグ、共有状態を点検する担当を決めた
よくある質問
Instagramマップの位置共有をオフにすれば、位置情報は何も表示されませんか?
そうとは限りません。Metaは、位置共有をオンにしていなくても、位置情報タグを付けたコンテンツがマップへ表示される可能性があると説明しています。投稿、リール、ストーリーズ、ノート等のタグを別に確認してください。
店舗やクリニックの住所タグなら、毎回付けても安全ですか?
公式に公開している所在地でも、投稿時刻、出演者、背景、イベント予定と組み合わさると行動が推測されることがあります。投稿目的に必要か、リアルタイムである必要があるか、素材に非公開情報がないかを毎回確認します。
位置情報タグを削除すれば、場所は分からなくなりますか?
必ずしもそうではありません。看板、建物、制服、入館証、窓景色、本文、ハッシュタグ、投稿時刻から場所が推測される場合があります。画像・動画・本文・タグを一体で確認します。
担当者の個人スマートフォンで運用してもよいですか?
禁止とは限りませんが、企業アカウントの権限、個人アカウントとの切り替え、位置情報、写真ライブラリ、端末紛失、退職・委託終了時の削除を管理する必要があります。可能なら業務端末や管理済みの運用環境へ寄せ、例外を記録します。
医療機関の位置タグは医療広告の確認外ですか?
位置タグだけで広告規制の対象外になるわけではありません。プロフィール、投稿、画像、返信、リンク先等の表示全体を確認し、治療内容や自由診療に関する投稿では最新の厚生労働省資料と院内ルールを確認してください。
まとめ:場所を伝える機能と、人の現在地を共有する機能を混ぜない
企業Instagramの位置情報管理は、マップのスイッチを一つ確認すれば終わるものではありません。現在地共有、投稿の位置情報タグ、DM、端末権限、画像内の手掛かりを分け、共有先と公開期間を記録します。
場所の表示が集客や来場案内に役立つ場合でも、必要最小限のタグと公開時刻を選びます。公開後の見え方まで点検することで、担当者や利用者の行動を意図せず伝えずに、施設・会場の案内を続けやすくなります。
Instagramの位置情報ルールを整えたい企業・医療機関へ
株式会社メディカルアトラクトでは、対象アカウント、担当端末、投稿の種類、利用したい位置タグ、現在の承認フローを棚卸しし、公開前後の確認表を作成します。お問い合わせページから、対象アカウント、場所を付けたい投稿、運用端末、担当人数、現在困っている場面をお聞かせください。初回の相談では、現在地共有と位置タグの切り分け、遅延公開が必要な場面、端末権限の確認者、公開後点検の順序を具体化できます。
SNS運用とコンテンツ制作の支援はサービスページ、制作・運用例は制作実績ページをご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(SNS運用・医療マーケティング担当)が、公表資料を2026年10月26日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- Instagramマップなどの新機能(Meta)(2026年10月26日確認)
- Instagram Mapの表示改善に関する説明(Meta)(2026年10月26日確認)
- DMの位置共有に関する案内(Meta)(2026年10月26日確認)
- 個人情報保護法ガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)(2026年10月26日確認)
- 第三者が作成したプラットフォームやアプリを活用する場合の留意事項(個人情報保護委員会)(2026年10月26日確認)
- 位置情報サービスとGPSの設定(Apple)(2026年10月26日確認)
- Androidアプリの位置情報共有を確認する(Google)(2026年10月26日確認)
- 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版・SNS事例(厚生労働省)(2026年10月26日確認)
本記事は2026年10月26日時点の公表資料に基づく一般的なSNS運用の整理であり、個別の法律、個人情報、医療またはセキュリティ上の助言ではありません。機能、画面、提供地域、表示期間、公開範囲、位置情報の精度は、端末、OS、アプリ版、アカウント、地域、設定、仕様変更等により異なります。実施時に各サービスの最新画面・規約、組織のプライバシーポリシー、医療広告規制その他の適用ルールを確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。本記事はMeta、Instagram、Apple、Google、個人情報保護委員会、厚生労働省その他の機関・サービスの提携・監修を受けたものではなく、事故防止、機能利用、表示、検索順位または問い合わせ数を保証しません。