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医療機関のSNS運用。
医療広告に配慮した
公開前レビュー

医療機関のSNS投稿を5段階で確認する明るいドット絵のエイリアンチーム

医療機関のSNS運用では、投稿の見栄えだけでなく、医療広告、個人情報、画像や文章の権利まで確認する必要があります。確認項目が担当者の経験だけに依存すると、公開直前に判断が止まったり、必要な説明が抜けたりしやすくなります。

厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」は2026年3月に作成され、同月30日付の事務連絡とともに掲載されています。この記事では、同資料を中心に、医療機関のSNS投稿をチームで確認するための実務フローを整理します。

SNSは「本文だけ」を見ても確認しきれない

SNS投稿の公開前確認では、本文だけでなく、画像・動画、キャプション、ハッシュタグ、返信で補う文章、プロフィールからの導線までを一つのセットとして扱います。見る人がどこから投稿へ入っても、必要な情報を分かりやすく確認できる状態を目指します。

確認時に回覧する原稿には、公開画面のプレビュー、リンク先、公開予定日時、承認者も添えます。文章と素材を別々に確認して判断が食い違うことを防ぎ、実際に公開される状態を基準に承認します。

確認レーン1:事実と出典をそろえる

診療時間、担当医、費用、治療の内容、院内設備、資格名など、投稿に含む事実は公開時点の情報と一致しているか確認します。過去投稿や古い院内資料をそのまま根拠にせず、院内の正式な情報、法令、行政機関や学会などの一次資料まで戻ることが大切です。

「必ず」「絶対」「県内一」「満足度99%」といった断定や優位性、数値を使う場合は特に慎重な確認が必要です。厚生労働省の医療広告ガイドラインと事例解説書では、医学上あり得ない安全・成功の断定、最上級の比較、根拠を明確にしない調査結果などが不適切な例として示されています。裏付けを提示できない表現は、強く言い換えるのではなく削除します。

確認レーン2:投稿単体で意味が通るかを見る

自由診療について情報を発信する場合、広告可能事項の限定解除(患者等が自ら求めて入手する情報であることなど、一定の要件を満たすことで広告可能事項の制限が解除される仕組み)を検討する場合があります。第6版では、患者等が容易に照会できる問い合わせ先に加え、治療内容・費用、主なリスク・副作用を分かりやすく示す必要があるとされています。さらに、SNS上の一つの投稿は単独で一つの広告として取り扱われるため、必要な情報がその投稿内で完結し、一体的かつ一覧性をもって確認できるようにします。

「詳しくはプロフィールのリンクへ」だけで済ませず、投稿を単独で見た人に必要な情報が届くかを確認します。文字数が足りないときは、扱うテーマを分ける、画像スライドを使う、情報量に適した媒体へ誘導するなど、企画段階から設計し直します。動画で伝える場合の目的・導線・権利確認は、企業動画制作の企画で決める5つのことでも整理しています。

確認レーン3:体験談・症例写真を別枠で審査する

医療機関が、患者の主観や伝聞に基づく治療内容・効果の体験談を自院の広告へ掲載することは、医療広告の禁止事項に関わります。口コミを選んで転載したり、スタッフが患者の体験談のように書いたりする案は公開しません。

治療前後の写真も、写真だけ、または説明不足の状態では掲載できない場合があります。治療内容、費用、主なリスク・副作用などの詳細を画像の付近で、同じ投稿を見た人が一体的かつ一覧性をもって確認できる形で示す必要があります。別リンクだけで補う方法は、厚生労働省の第6版で不十分な例として示されています。判断が難しい症例投稿は一般的な広報投稿と同じ流れに乗せず、医療広告に詳しい担当者や専門家へ確認し、懸念が残る場合は掲載しない運用にします。

確認レーン4:写っている人と素材の許諾を確かめる

個人情報保護委員会は、個人を識別できる写真は個人情報に当たり、ホームページや機関誌などで第三者の閲覧に供する際には、原則として本人の同意が必要と案内しています。SNSでも、患者、家族、職員、来訪者の顔、名札、受付票、モニター画面、音声などから個人を識別できないか確認します。患者であることが分かる写り方は健康や受診に関する情報を推知させ得るため、撮影・公開の目的と範囲をより慎重に確認します。

同意は「撮影してよいか」だけでなく、掲載するSNS、利用期間、広告への転用、削除依頼への対応まで具体的にそろえます。写真やイラスト、BGM、フォントは、制作した人、購入先、利用範囲、クレジット条件を記録し、第三者のロゴや投稿を無断で使わないことも確認します。

確認レーン5:発信主体と最終承認を残す

外部の制作者や発信者に投稿を依頼し、医療機関側が内容の決定に関与する場合は、広告であることが分かる表示も検討が必要です。消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aでは、ある表示が事業者の表示に当たるかどうかは、事業者が表示内容の決定に関与したと認められるかなど、個別の事情を踏まえて判断されると説明されています。関係性を隠す前提の企画は避け、誰の発信かを読者が理解できる形にします。

最後に、作成者、医療情報の確認者、広報責任者の役割を分け、承認した版と日時を残します。公開後に診療時間や費用が変わった場合の更新担当、コメント欄で個別の症状相談を受けた場合の対応方針も決めておくと、投稿後の迷いを減らせます。アカウント権限の分け方や退職・委託終了時の引き継ぎは、企業SNSの権限管理。退職・委託終了に備える5つの設計で整理しています。

そのまま使える公開前チェックリスト

  • プロフィール、本文、画像・動画、音声、返信、ハッシュタグを一式で確認した
  • 日付、費用、資格、診療内容、数値を最新の一次資料と照合した
  • 絶対表現、最上級表現、効果保証、根拠のない比較や数値がない
  • 自由診療で必要となる情報が、分かりやすく一体的に示されている
  • 治療効果の体験談や、説明不足の症例写真を使っていない
  • 写っている人の同意と、素材の利用条件を記録した
  • 広告・協力関係がある場合、発信主体が分かるようにした
  • 医療情報と広報の確認者が、同じ公開版を承認した
  • 公開後の修正・削除・コメント対応の担当を決めた

まとめ:速く投稿するために、確認を仕組みにする

医療機関のSNS運用では、慎重さと継続性の両方が必要です。毎回ゼロから判断するのではなく、確認対象、根拠、承認者、公開後の対応を共通のチェックリストにすると、投稿の品質をそろえやすくなります。

株式会社メディカルアトラクトでは、医療機関ごとの発信テーマ、投稿フォーマット、確認フロー、動画や画像の制作、公開後の振り返りまで一つの運用として整理します。自院の場合に誰がどこまで確認すべきか設計したい方、企画・制作・運用をまとめて相談したい方は、お問い合わせページからSNS運用の現状をお聞かせください。既存アカウントと院内体制を踏まえ、無理なく続けられる進め方を一緒に整理できます。

AI検索を含めたサイト全体の整え方は、医療サイトのLLMO。AI検索に備える5つの基本で、クロール設定から計測までを5項目に整理しています。

支援内容はサービスページ、発信や制作の事例は制作実績ページでもご覧いただけます。

本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部が、厚生労働省、個人情報保護委員会、消費者庁の公表資料を確認して作成しました。

参考にした一次情報

本記事は2026年8月28日時点の公表資料に基づく一般的な情報を整理したもので、個別案件への法律上・医療上の助言ではありません。制度や資料は更新される場合があるため、実務では最新版をご確認ください。判断が難しい投稿は掲載せず、所管自治体の窓口や適切な専門家へご確認ください。