
受付終了のセミナー、募集終了の求人、統合前のサービス、旧制度の案内など、企業サイトには「もう公開し続けない」ページが生まれます。このとき、古いURLをトップページへ一律転送したり、「終了しました」と書いた画面を200 OKで返し続けたりすると、訪問者にも検索システムにも現在地が伝わりません。
Google Search Centralは、後継がない削除ページには404 Not Foundまたは410 Gone、明確な後継先へ移動したページには301などの永続的なリダイレクトを案内しています。また、エラー案内の本文を表示しながら200を返す「soft 404」は、利用者を混乱させる状態です。
ただし、HTTPステータスを変えれば、すべてのAIサービスの表示や過去の回答が直ちに書き換わるわけではありません。OpenAIは、ChatGPTの検索表示に使うOAI-SearchBot、基盤モデルの学習に関わるGPTBot、ユーザー操作でページを開くChatGPT-Userを別の用途として説明しています。公開終了は、サイト自体の状態、検索エンジンの取り下げ、AI向けクロール設定を分けて管理します。
この記事では、2026年10月22日時点のGoogle、Bing、OpenAI、厚生労働省の公表資料をもとに、公開終了URLの実務を5つに分けて整理します。クローラーごとの設定はAI検索のrobots.txt、URLの移転全体はサイト移転のLLMO、サイトマップの更新はXMLサイトマップのLLMOもあわせてご覧ください。
結論:「終了」の一語で処理せず、URLごとに行き先を決める
公開終了候補を、①内容を更新して継続、②後継ページへ永続移転、③後継なしで削除、④関係者限定で非公開、⑤一時的な停止に分けます。「似たページがあるから」ではなく、古いURLを開いた人の用件を後継先が実質的に引き継ぐかで判断します。
判定と同時に、元URL、後継URL、実施日、HTTPステータス、内部リンク、サイトマップ、外部案内、確認担当を一つのURL管理表に記録します。これにより、CMSで削除したのにナビゲーションが残る、転送先が再度転送される、検索上だけ古い情報が残るといった分断を減らせます。
公開終了ページで揃える5つの確認
1.継続、移転、削除、非公開、一時停止を先に分ける
まず、URL単位で「なぜ終了するのか」を確認します。日付、価格、担当部署だけが古いなら、ページを削除せず更新する方が利用者にとって自然です。別URLに同じ用件を満たす後継があれば移転、情報も受け皿もなければ削除、一般公開は終えるが関係者が使うなら認証付きの非公開を検討します。
古い医療情報や医療機関の案内は、表現だけを残しておくと現在も有効な情報と誤解される可能性があります。いっぽう、法令、契約、業務記録の要件によっては保管が必要です。公開終了と記録保管を同一視せず、サイト担当だけでなく管轄部門と確認します。
2.明確な後継があるときだけ301または308で移転する
Googleは、永続移転のサーバー側リダイレクトとして301と308を案内し、移転先を正規URLとして扱う強いシグナルにすると説明しています。一時的な移転には302、303、307があり、元URLを今後も主として扱いたい場合に使います。
終了したセミナーをセミナー一覧、取扱終了サービスをトップページへ一律転送するのは、訪問者の期待と移転先が一致しないことがあります。ページの主題、申し込み方法、対象者、現在の選択肢が実質的に引き継がれるかを見ます。転送はサーバー側で一段にし、元URLから最終URLまでのステータスと到達先をPCとスマートフォンで確認します。
3.後継がないときは本当の404または410を返す
コンテンツがなく、代替ページもない場合は、404または410を返します。Googleは、429を除く4xxのURLについて、新規URLは索引せず、既に索引されたURLは時間とともに削除すると説明しています。Bingも404または410を永続的な取り下げ方法として案内しています。
404と410のどちらを使うかは、CMS、サーバー、運用ルールに合わせます。重要なのは、「ページはありません」と表示するだけで200 OKを返さないことです。独自の404画面には、ホーム、関連カテゴリ、サイト内検索、リンク切れ報告窓口を用意できますが、HTTP応答自体は404のままにします。
4.緊急の取り下げと永続対応を分ける
個人情報、公開前資料、誤った重要情報などを急いで取り下げる場合は、検索エンジンの管理ツールと、元サイトの永続対応を並行します。GoogleはRemovals toolの一時的な削除を約6か月とし、永続的な対応として本文の削除・更新、パスワード保護、noindexを挙げています。BingのBlock URLsも一時的な非表示であり、永続対応には再クロールで検出できる404、410、またはNOINDEXが必要と案内されています。
robots.txtのDisallowは、そのURLのクロールを制御するためのもので、取り下げの代用にはしません。クローラーが取得できなければ、変更後の状態を確認できない場合があります。また、非公開にすべき情報は、検索非表示だけに依存せず、ページの削除や適切な認証でアクセス自体を制御します。
5.内部リンク、サイトマップ、外部案内、ログを同時に更新する
URLを移転または削除した後も、グローバルナビ、記事本文、パンくず、サイト内検索、構造化データ、配布済みPDF、SNSのプロフィールなどに古いリンクが残ることがあります。サイト内リンクは後継URLへ直接更新し、リダイレクトを常用の導線にしません。削除URLはXMLサイトマップから外し、移転先の正規URLだけを掲載します。
実施後は、元URLのHTTP応答、Locationヘッダー、最終URL、ページ内容、サイトマップ、サーバーログ、Google Search ConsoleやBing Webmaster Toolsの状態を確認します。OpenAIはOAI-SearchBotの表示参加設定とGPTBotの学習用設定を独立したものと説明し、robots.txt変更の反映に約24時間かかる場合があるとしています。そのため、一回の確認で終わらせず、実施日、翌日、1週間後など、情報の重要度に合わせて再確認日を決めます。
公開終了URL管理表に残す項目
- 元URL、ページ名、所管部門、公開終了理由
- 継続、永続移転、削除、非公開、一時停止の判定
- 後継URLと、元ページの用件を引き継ぐ根拠
- 想定HTTPステータス、実測値、最終到達URL
- 個人情報、権利、契約、法令、業務記録の確認者
- 内部リンク、ナビ、構造化データ、サイトマップの修正対象
- 外部サイト、SNS、PDF、メールの訂正・差し替え対象
- 検索エンジンの一時取り下げ申請と永続対応の区別
- 実施者、承認者、実施日、再確認日、エビデンス
よくある質問
404と410は、AI検索にどちらが早く反映されますか?
すべてのAI検索に共通する反映速度は保証されていません。Googleは429を除く4xxを同じように扱うと説明しています。ステータスの意味、CMSの対応、社内ルールに合わせ、どちらでも本文だけ200にならないことを実測します。
全ての公開終了ページをトップページへ301転送してもよいですか?
おすすめしません。トップページが元ページの用件を引き継がない場合、利用者は求める情報を見つけられません。明確な後継があるURLだけを個別に移転し、後継がなければ404または410と独自の案内画面を使います。
robots.txtでDisallowすれば、古い情報は消えますか?
取り下げ手段としては不十分です。robots.txtはクロールを制御するもので、公開情報の削除やアクセス制御の代わりではありません。元サイトの削除・更新・認証と、各検索サービスの公式な取り下げ手段を分けて実施します。
削除後のURLはXMLサイトマップに残しますか?
現在検索対象として掲載したい正規URLだけに揃え、削除済みURLやリダイレクト元は外します。ただし、外したことだけを削除通知と考えず、元URLのHTTP応答も継続して確認します。
公開前チェックリスト
- 公開終了理由と必要な保管期間を確認した
- 継続、移転、削除、非公開、一時停止をURLごとに決めた
- 移転先が元ページの用件を実質的に引き継ぐ
- サーバー側のHTTPステータスを実測した
- 404画面を表示しても200 OKを返すsoft 404になっていない
- 緊急の一時非表示と永続対応を両方計画した
- 非公開情報はrobots.txtや
noindexだけに依存していない - 内部リンク、ナビ、構造化データ、XMLサイトマップを同時に更新した
- PCとスマートフォンで、元URLからの表示と最終到達を確認した
- 実施後の再確認日と担当者を決めた
まとめ:URLの終わり方まで公開運用として設計する
LLMOは、新しい記事を増やすことだけではありません。古い案内が残り続けないように、継続、移転、削除、非公開を区別し、HTTPステータスとサイト内の導線を揃えることも情報品質の一部です。
サイトの変更は、検索やAIサービスへ直ちに反映されるとは限りません。だからこそ、実施日の動作確認と、後日の再クロール・表示状態の確認を分け、完了条件を先に決めておきます。
公開終了URLの整理とLLMOを相談したい企業へ
株式会社メディカルアトラクトでは、公開終了候補の棚卸し、後継ページの判定、HTTPステータスの確認、内部リンク・サイトマップの更新、公開後の再確認を一つのURL管理表に整理します。お問い合わせページから、対象サイト、公開終了候補のURL、CMS・ホスティング環境、急いで取り下げたい情報の有無をお聞かせください。初回の相談では、更新・移転・削除・非公開の仕分け、確認が必要な部門、実施順序、技術担当へ渡すチェック項目、実施後の再確認日を具体化できます。
LLMO・Web改善の支援範囲はLLMOページとサービスページ、制作・運用例は制作実績ページをご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(LLMO・Web制作担当)が、公表資料を2026年10月22日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- Troubleshoot crawling errors(Google Search Central)(2026年10月22日確認)
- HTTP status codes and Google crawlers(Google)(2026年10月22日確認)
- Redirects and Google Search(Google Search Central)(2026年10月22日確認)
- Remove a page hosted on your site from Google(Google Search Central)(2026年10月22日確認)
- How To Permanently Remove a URL or Page from Bing or Copilot(Bing Webmaster Tools)(2026年10月22日確認)
- Overview of OpenAI Crawlers(OpenAI)(2026年10月22日確認)
- 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(2026年10月22日確認)
本記事は2026年10月22日時点の公表資料に基づく一般的なWeb運用・検索クロール・LLMOの整理であり、個別案件への法律上、医療上または情報セキュリティ上の助言ではありません。公開終了、保管、リダイレクト、HTTPステータス、削除申請、クロール、索引、AI検索の表示は、契約、法令、CMS、サーバー、サービス、地域、仕様変更等により異なります。実施時に各サービスの最新公式情報と本番応答を確認してください。本記事はGoogle、Microsoft、OpenAI、厚生労働省の提携・監修を受けたものではなく、取り下げ時期、AI検索への反映、引用、流入、検索順位または問い合わせを保証しません。