
サイトのドメイン、CMS、URL構造を変えるとき、画面が新しく表示できれば移転完了とは限りません。旧URLが404になる、新旧ページが重複して公開される、内部リンクやサイトマップが旧URLを指す、といった状態が残ると、読者だけでなく検索やAI検索の参照先も分かれます。
Bingは、検索とCopilotなどのグラウンディング体験が同じクロール・インデックスの基盤を利用すると案内しています。OpenAIは、ChatGPTの検索結果にサイトを表示したい場合、検索用のOAI-SearchBotをrobots.txtなどで遮断しないよう案内しています。ただし、どのAI検索サービスも移転直後の反映や引用を保証していません。LLMOだけの特別な移転方法を探すのではなく、旧URLと新URLの関係を人とクローラーが確認できる状態にすることが基本です。
この記事では、2026年9月24日時点のGoogle、Microsoft Bing、OpenAI、IndexNowの公式情報をもとに、サイト移転・URL変更を5つの確認に分けます。JavaScriptで本文やリンクを表示するサイトは、先にJavaScriptサイトのLLMO確認もご覧ください。
結論:URL対応表を原本に、移転・発見・確認を一つにつなぐ
移転では「旧URL→対応する新URL」を記録した対応表を原本にします。その表から恒久リダイレクト、canonical、内部リンク、サイトマップ、計測対象を作り、公開後のHTTP応答まで確認します。旧ページをすべて新しいトップページへ送るのではなく、内容が対応するページへ直接つなぎます。対応先がない削除ページは、無関係なページへ送らず404または410を返す判断も必要です。
サイト移転のLLMOで確認する5項目
1.旧URLと新URLをページ単位で対応させる
現在のサイトマップ、CMS、アクセス解析、サーバーログ、内部リンクから旧URLを集め、「そのまま維持」「新URLへ移転」「別ページへ統合」「削除」に分けます。HTMLページだけでなく、検索や外部サイトから参照されている画像、動画、PDFなどのURLも対象にします。
統合するときは、旧ページの主要な疑問に新ページが実質的に答えているかを確認します。内容が対応しない複数の旧URLを一律にトップページへ送ると、Googleではsoft 404として扱われる可能性があります。ページ名だけで機械的に決めず、検索意図と本文の対応を見ます。
2.新ページ側のURL信号とクロール設定を揃える
新ページには新URLを指す自己参照canonicalを設定し、内部リンク、hreflangを使う場合の参照先、構造化データ内のURL、画像やPDFへのリンクも新しい場所へ更新します。新サイトのサイトマップには、原則として公開したいcanonical URLだけを載せます。開発中に設定したnoindexやrobots.txtの一括遮断が本番に残っていないかも確認します。
ChatGPT検索への掲載を希望する場合は、OpenAI公式の最新情報でOAI-SearchBotへの許可と公開IP範囲へのアクセスを確認します。OAI-SearchBotは検索用、GPTBotはモデル学習用で、設定は独立しています。移転を理由に一律で両方を同じ設定にせず、自社方針を分けて記録します。クローラーの役割はAI検索のrobots.txt確認でも整理しています。
3.旧URLから対応先へ恒久リダイレクトを直接返す
恒久的な移転には、可能であればサーバー側の301または308を使い、旧URLから最終の新URLへ直接つなぎます。302や307は一時的な移動のための応答です。旧URL→中間URL→新URLのようなチェーンは、読者の待ち時間と確認箇所を増やすため避けます。
Googleは、恒久リダイレクトをできるだけ長く、一般に少なくとも1年間維持するよう案内しています。契約更新や旧ドメインの管理期限も移転計画に含め、公開直後だけ動く設定にしません。canonicalは代表URLの希望を示す信号であり、読者を新URLへ移動させる機能ではないため、リダイレクトの代わりにはなりません。
4.検索サービスへ新URLと変更を知らせる
Google Search Consoleでは旧サイトと新サイトの所有権・設定を確認し、新しいサイトマップを送信します。ドメインまたはサブドメインを変える場合は、リダイレクトを実装した後に「アドレス変更」ツールを使います。同じドメイン内のパス変更やHTTPからHTTPSへの変更には、このツールを使わないと案内されています。
Bingは、サイトマップにcanonical URLだけを含め、削除・リダイレクト済みURLを速やかに外すよう案内しています。IndexNowは、URLの追加・更新・削除を参加検索エンジンへ通知できます。ただし、IndexNowのHTTP 200は通知を受け取ったことを示すだけで、クロール、インデックス、検索やAI回答への掲載を保証するものではありません。
5.公開後は旧URL・新URL・参照流入を継続確認する
対応表から重要URLと各パターンを抽出し、旧URLのHTTP応答、リダイレクト先、新URLの200応答、canonical、noindex、内部リンク、サイトマップ掲載をPCとスマートフォンで確認します。Search Console、Bing Webmaster Tools、サーバーログでは、旧URLへのクロールや404の増加、新URLの発見状況を定期的に見ます。
OpenAIは、ChatGPT検索からの参照URLにutm_source=chatgpt.comが自動で付くと案内しています。アクセス解析ではAI検索を一つの成果として分けつつ、参照先が新URLへ移ったか、問い合わせまで読者が進めたかを確認します。計測の分け方はLLMOの効果測定も参考にしてください。移転後すぐの表示だけで成功・失敗を断定せず、記録した確認日と結果を更新します。
公開前後のチェックリスト
- 旧URLごとに維持・移転・統合・削除を決め、対応先を記録した
- 新ページの本文、タイトル、canonical、内部リンクが新URLで揃っている
- 旧URLから対応する最終URLへ301または308を直接返している
- 対応先がない削除URLは、無関係なページへ一律転送していない
- 開発用のnoindexやrobots.txt遮断が本番に残っていない
- 新しいサイトマップに公開対象のcanonical URLだけを載せた
- ドメイン変更時はSearch Consoleのアドレス変更要件を確認した
- URL通知の受理をインデックス・引用の保証と混同していない
- 旧ドメインとリダイレクトを維持する担当・期限を決めた
- 公開後の404、クロール、参照流入を確認する日程を決めた
よくある質問
canonicalを設定すれば、301リダイレクトは不要ですか?
不要にはなりません。canonicalは代表として扱ってほしいURLを検索システムへ示す信号で、ブラウザーで旧URLを開いた読者を新URLへ転送しません。恒久移転では、対応する新URLへのサーバー側リダイレクトと新ページの自己参照canonicalを組み合わせます。
旧ページをすべて新サイトのトップへ送ってもよいですか?
ページ内容が対応しない一律転送は避けます。対応する新ページがあればそこへ送り、複数ページを実際に統合した場合は統合先へ送ります。代替ページがない削除は、404または410を返し、必要なら利用者向けの案内を表示します。
AI検索の旧URLは、移転後すぐ消えますか?
反映時期は保証されません。Googleもサイト移転はURL単位で再クロール・再処理され、中規模サイトでは数週間以上かかる場合があると案内しています。OpenAIはrobots.txt変更の反映に約24時間かかる場合があると説明していますが、これはrobots.txt設定の反映目安であり、個別URLの更新・引用時期を保証するものではありません。
リダイレクトはいつ外せますか?
Googleはできるだけ長く、一般に少なくとも1年間の維持を案内しています。外部リンクや利用者のブックマークも考えると、管理できる限り継続する選択肢があります。契約やドメイン更新の都合だけで早期に止めず、旧URLへのアクセスとクロールを確認して判断します。
まとめ:移転後も「正しい新URLへ着ける」状態を保つ
サイト移転のLLMOは、特別なAI向けファイルだけで完結しません。URL対応表、恒久リダイレクト、canonical、内部リンク、サイトマップ、クロール設定、公開後の計測を同じ移転計画で管理することが重要です。検索やAI検索の表示は各サービスが決めるため、掲載を保証するのではなく、正しいページを発見・確認できる技術状態を維持します。
サイト移転のURL設計と確認表をまとめたい方へ
株式会社メディカルアトラクトでは、旧URLの棚卸し、ページごとの移転先、リダイレクト・canonical・サイトマップの要件、公開後の確認項目を一つの移転表に整理します。お問い合わせページから、移転予定日、現在のCMS、URL変更の範囲をお聞かせください。初回の相談では、残すページと統合するページの優先順位、制作会社・社内担当者の分担、公開前後に確認するURL一覧を具体化できます。LLMO支援の考え方はLLMOサービスページ、サイト全体の支援範囲はサービスページもご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(Web・LLMO支援担当)が、Google、Microsoft Bing、OpenAI、IndexNowの公式情報を2026年9月24日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- Site Moves and Migrations(Google Search Central)(2026年9月24日確認)
- Redirects and Google Search(Google Search Central)(2026年9月24日確認)
- What is URL Canonicalization(Google Search Central)(2026年9月24日確認)
- Change of Address tool(Google Search Console Help)(2026年9月24日確認)
- Bing Webmaster Guidelines(Microsoft Bing)(2026年9月24日確認)
- IndexNow Documentation(2026年9月24日確認)
- Overview of OpenAI Crawlers(OpenAI Developers)(2026年9月24日確認)
- Publishers and Developers - FAQ(OpenAI Help Center)(2026年9月24日確認)
本記事は2026年9月24日時点の公表資料に基づく一般的なWeb・LLMO運用上の整理であり、個別案件への法律上・医療上の助言ではありません。検索結果、AI回答への掲載・引用、順位、移転期間、アクセスや問い合わせの改善を保証しません。各サービスとCMSの仕様は変更されるため、実務では公式情報と利用環境の最新版をご確認ください。本記事はGoogle、Microsoft、OpenAI、IndexNowの提携・監修を受けたものではありません。